不動産投資に興味がある、税金対策にもなると聞いた、でも何もわからないし金額も大きいから怖い…と思う医師は、多いのではないでしょうか。
不動産賃貸業も行っている株式会社ブルーストレージが、現役医師で不動産投資家のDr.ラス先生に、取材を実施しました。
この記事のインタビュー医師
この記事では医師の不動産投資と税金、法人化のメリット・デメリット、おすすめの不動産投資セミナーなどについてまとめました。
医師の不動産投資について、気になる事を色々教えて頂きましたので、ぜひ参考にしてみて下さい!
医師が不動産投資で節税するには、大きく2通り
医師が不動産投資で節税するには
- 個人所有で減価償却させる
- 法人化
の、2通りがあります。
個人所有の場合、不動産の減価償却と本業の収入を損益通算する事で、節税効果が生まれます。
(例)本業収入2500万円、不動産の減価償却部分400万円。所得税率40%、住民税率10%の合計50%課税と仮定すると
節税部分
=400万円(減価償却部分)×50%(本来課税される税率)
=200万円の節税効果(諸経費抜き)
不動産の建物部分は、経年劣化で価値を失うため、失った価値の分を損失として計上するのが減価償却です。減価償却は経年劣化しない土地には使えず、建物価格にしか使えず、さらに年数が決まっているため、注意が必要です。
また、不動産売却時に減価償却部分は課税されますが、5年以上保有してからの売却は長期譲渡所得で20.315%の税率なので、有利です。
(例)本業収入2500万円、不動産の減価償却部分400万円。5年で売却。所得税率40%、住民税率10%の合計50%課税と仮定すると
節税効果
200万円×5年=1000万円課税
減価償却分=400万円×5年=2000万円
支払う税金=2000万円×0.2315≒400万円1000万円ー400万円=600万円が、真の節税効果(諸経費抜き)。
次に、不動産投資で法人化した場合、経費を使えるようになります。
事業に必要な経費(事務所家賃、携帯代、交通費、飲食接待費など)は、法人から落とす事ができます。
医師向けの不動産投資セミナー、おすすめランキング
1位、イエベスト不動産
イエベスト不動産投資は、不動産会社ではありません。
不動産会社100社以上と繋がっているポータルサイト運営業者であり、不動産会社をまとめて比較する事ができます。
不動産会社を探す時間も惜しいくらい忙しい医師には、ありがたいですよね。
さらに、複数社の中から第三者の立場で中立に選んでくれます。良いサービスには、適切な競争関係が必要です。
「不動産投資に興味がある、多少は勉強するし努力もするけど、無駄な時間は省きたい」という先生には、おすすめです。
2位、トウシェル
トウシェルは、不動産投資について、専門家と対面で個別相談が出来るサービスを展開しています。
特徴的なのが、手厚いプライバシーへの配慮と独自のストップコール制度です。
ストップコール制度とは、アドバイザーに対して不安や不満がある場合に、担当及び企業からの連絡を停止することが可能な制度です。
また、複数の指摘を受けた担当者については登録の抹消などを行うなど、相談する側が安心して利用できるために力を入れている事がわかります。
不動産投資に対する「強引な営業」のイメージが強く、避けたい先生には、おすすめです。
3位、イチワプロパティ
イチワプロパティは、都内のコンパクトマンションを中心に取り扱っています。
コンパクトマンションとは1LDK〜2LDKの単身者からDINKS(共働きで子供がいない夫婦)に人気のマンションです。今後は都内のDINKSが増える事が見込まれており、いわゆるワンルームマンションと異なり底堅い需要が見込めるタイプのマンションです。
特徴的なのが、直接仕入れと自社リフォームです。
業者を介さず直接物件を仕入れる事で、コスト削減。
自社でリフォームを行い、内装や設備のアップグレードも低コストで実現しています。
価格が安いため、7割の方が複数物件を購入されているデータが、あるようです。
医師が不動産投資で法人化するメリット・デメリット
医師が不動産投資で法人化するのにも、メリットとデメリットがありますので紹介していきます。
メリットがデメリットを上回ったら、法人化を検討してみましょう。
医師が不動産投資で法人化するメリット=経費
ー医師が不動産投資で法人化するメリットを教えていただけますか?
経費でしょうね。やはり法人は個人事業主とは異なって、経費が柔軟に使えるので、大きなメリットです。
ー経費以外にメリットはありますか?
税金も安いです。法人税の実効税率は30%程度ですので、多くの医師の税率(所得税、住民税を合算した税率)よりも低いと思います。
ただし、法人税は課税対象の利益が年800万円を超えると税率が上がるので、注意して下さい。その場合は法人を分けるか、面倒ならそのままにするか、その辺は手間とお金を天秤にかけて判断します。
医師が不動産投資で法人化するデメリット
ー医師が不動産投資で法人化するデメリットを教えていただけますか?
維持費がかかる事ですね。税理士代、法人税均等割、諸々合わせると年間20〜30万円は、かかるでしょう。
逆に言えば、この維持費を払っても上回るメリットがある状態で初めて法人化するべき、という事です。
ー具体的にどれくらいになったら、法人化すべきでしょうか?
最終的に法人を作る予定なら、最初から法人にした方が良いと僕は思います。
ただ「まず最初は小さな区分を個人で買おう」みたいな考えの方は、区分1〜2個を個人で買って、さらに買い進める場合や1棟を購入するタイミングで、法人化しても良いでしょう。この辺りは、個人が「どれくらい早く法人が欲しいか」という、速度感覚で決めると良いと思います。
ー維持費がかかる事以外、何かデメリットはありますか?
お金が法人にしか残らないという事でしょうか。法人税は個人に比べて確かに安いのですが、プールされるお金は法人のお金ですので、個人にお金を移そうと思うと、そこでまた所得税や住民税などが課税されます。
そういう意味でも、医師が不動産投資をやる場合は最終的に、法人・個人所有を両方駆使した二刀流に、行き着くと思います。
医師向け不動産投資業者、東京ミライズって?
東京ミライズは、医師向けの不動産投資コンサルティングや、開業支援サービス、相続支援等を包括的にコンサルティングしている会社です。
自社で開発している物件もあるようです。
医師が不動産投資で失敗するパターン
ー医師が不動産投資で失敗する場合があるとすれば、どんな時ですか?
相場を知らず割高物件を買ってしまった場合か、税制を含めた網羅的な知識が足りない場合でしょう。
ー医師は割高物件を買ってしまいやすいですか?
はい、よく吟味している時間がありませんから、致し方ありません。
ただどれだけ割高に物件を買ってしまっても、値段が上がる事があるので一概に損をするとは言い切れません。例えば2011年、震災の後は湾岸エリアのマンションが軒並み売れなくなりましたが、当時割高な物件を購入していたとしても、10年後の今は2倍くらいになっています。
ーやはり税金に関する知識は必要ですか?
はい、必要です。少なくとも先ほど申し上げた内容くらいは、頭に入れておくべきです。
ただ税制は複雑なので、全てを理解する必要はありません。税理士の先生と会話ができる程度の知識は、身に付けておいた方が良いと思います。
医師が不動産投資でカモにされないために
ー医師は不動産投資の世界でカモだと言われていますか?
はい(笑)、残念ながら。
ーなぜそう言われてしまうのでしょうか?
医師に時間がないからです。本来なら、ある程度時間をかけて勉強して、相場を知ってから買うべきです。税制の勉強もして、必要に応じて税理士の先生に相談します。
不動産投資は物件を買う前にある程度の時間と労力をかけるのがポイントなのですが、医師は「忙しいから」という理由でそこを省いてしまう人が多いです。
ーどうしたらそういった状態を、防げますか?
時間と労力をかけて下さい。医師が忙しいのは間違いないですが、ゼロではないはず。当直中に税金の勉強をして、休日は不動産屋さんに足を運び、物件を吟味する。税理士のセミナーに参加する。これくらいはやりましょう。
医師が不動産投資以外で節税する方法
ー医師が不動産投資以外で節税する方法は、何かありますか?
正直あまりないと思います。
給与所得と損益通算できる、減価償却資産は不動産が間違いなく筆頭候補です。
医師が法人を作る場合、不動産以外で忙しい医師が事業を作るのは、大変です。不動産賃貸業は、不動産を買って貸すだけですから。
個人事業主、法人、どちらの場合でも不動産投資が第一選択だと僕は思います。
医者が最も節税になる副業は…
ーお医者さんが最も節税になる副業は、不動産賃貸業という事ですか?
参入しやすさを考えると、その通りだと思います。僕は他の事業もやっていますが、再現性はありません。不動産賃貸業は、再現性がある事業だと思います。
何か別の収入が欲しい、税金が高い。医師にとってよくある悩みだと思います。
不動産投資をやってみたい、まずは知識を身につけるところから始めたい、という方は一歩踏み出して不動産投資セミナーに参加してみるのが、おすすめです。